RÜO Kino 5cm f2.5
 

Lens Data

Lens Unit

Lens Photo

社名:Optische-Werke Ruedersdorf , BERLIN
レンズ構成 : トリプレット型
製造時期 : 1920年代から30年代(推定)


Company : Optische-Werke Ruedersdorf , BERLIN
Composition :  Triplet type
Production : early 1920's -30's(est)

Lens Impression

「35mm判オールドレンズの最高峰 50mmf1.5」から抜粋

 
Rüo Optik G.m.b.H.とも称される「Optische-WerkeRüdersdorf」は非常に資料・情報の少ない会社で、詳しいことは不明である。1919-20年頃「Rüdersdorf」という名称でドイツ・ブレーメン(童話:ブレーメンの音楽隊で有名)で設立され、1922年に「Optische Werke AG, Bremen」と名称を変更、その直後にはベルリンに移り、「Optische-WerkeRüdersdorf A.G.」という社名になったとされる。出資したのは現在のドイツ・シュローダーグループの源流ともなったJ.F.シュローダー商業銀行であった。 しかしわずか10年未満の活動の後、1932年に活動を停止してしまう。そのあたりの経緯も全く不明であり、それが同社に対する興味をさらに掻き立てるところでもある。 レンズ名の「Rüo」 もしくは「Rüo Optik」は同社の商標・商品ブランド名だと考えてよいだろう。 
レンズ設計に関しては、このレンズの特許と思われる上記に記された「Hugo Hahn」の名前のみが知られている。同社の極めて短期間の活動期間のなかで、特許が判明している「DE382193(1922申請)」「DE461083(1925申請)」ともにHahnの名前で申請されているので、多くのレンズが彼の設計であったと考えてよいであろう。なお、Hahnは後に同社の経営者の一人となったようである。


このレンズの構成は3群3枚のトリプレット。トリプレット型は貼り合わせがなく加工が簡単で、ガラス枚数も3枚と少なく安価ながら非常に優秀な画像が得られる画期的なレンズ構成ですが、f2.8以上明るくすると周辺部の残存収差が顕著となり画像が乱れることから、多くがf3.5までで、f2.8クラスのレンズの主流はその後登場したテッサー型となりました。
ところが、このRUO KINOレンズはf2.5のトリプレット構成ということで、やはり絞り開放f2.5ではかなりじゃじゃ馬のレンズとなります。ただ、画像のイメージは全体的に柔らかく、なんとなくほのぼの感じられる描写となるようです。。


 Photos with Ruo Kino 5cm f2.5
 
Comment
2021
Maunouchi
(丸の内)

ハイライトでは少し滲みがでますが、トリプレットでf2.5という構成と開放値の限界が見えているのか、それとも経年変化でクモリが出ているのか、はっきりとはしません。いずれにせよ、周辺に入るわずかなボケ像の乱れとしっかりとした中心画像のバランスを愉しむレンズですね。


2020
Akiya
(秋谷)

絞り開放と少し絞り込んだ画像が入り乱れましたが、ボケの大きさや周辺の乱れ方を見ていただければ判断できると思います。

トリプレット構成はオリジナルの設計が非常に優れていることから、f2.5まで拡大しても極端に画面全体がおかしくなることはありませんね。一方周辺部にはざわざわした流れが出来ています。

絞るとかなりかっちりします。下段3枚目の山里の写真など、非常に線の細い詳細な解像感が現れているようです。

     
 
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